
い草のご説明
天然い草畳表に使われているい草に備わっている機能をご説明致します。
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- 鉢に植えられたい草
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- 生い草のアップ
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- 風にたなびくい草田
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い草の床材としての歴史は古いです。
何故、たくさんの植物の中から「い草」が選ばれ、長い間床材として使われ続けてきたのでしょうか?
それは、い草が床材として非常に優秀な機能を持っているからです!
「い草」の持つ優秀な機能をご説明致します。
い草とは?
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- い草の花です。茎の中ほどで咲きます。
学術名
- JUNCUS GFFUSUS
和名
- 燈芯草・灯芯草
英名
- COMMON RUSH
科名
- イグサ科イ属常緑多年草
- い草の仲間は世界中に分布しています。
- い草は浅い水中で泥の中に根をはる水草の一種です。
- 燈芯と呼ばれるのは、昔のロウソクの芯に使われていたためです。
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い草の構造
表皮
断面図でぐるりを囲んでいる厚みの部分が表皮(皮)になります。
この表皮の繊維が硬く弱くなってめくれてくると、「ささくれ」になってしまいます。
この表皮が強く分厚く育てられていれば、畳表になった時の強度が高くなります。
灯芯(ジミ)
断面図の中心部にあるのが灯心(ジミ)になります。
灯心部分は中に空気や水分が蓄えられるようにネットワーク構造で広い表面積を有しています。
この構造によって、高い吸湿性・二酸化窒素等の有害ガスの吸着・ホルムアルデヒドの吸着という特徴が生まれています。
また、このスポンジ構造が畳の「弾力性」を生んでいます。
柔道を畳の上でするのは、このい草の弾力性が適しているからです。(畳床も関係ありますが)
足を踏ん張れるだけの「しっかり感」と成人男子が投げられても怪我をしない「クッション性」、こんな床材は他にありません。
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い草の機能
湿度調整機能
現代の都市型生活では、エアコンをはじめとする冷暖房機器の普及により窓が締めきられた状態となり、高気密・高断熱の室内は常に乾燥しています。
すると人の呼吸器系に負担がかかり、セキが出やすく健康を害することにもなりかねません。
このような状況の中、「い草」には木炭に匹敵する吸湿能力があり、湿度が高い時は無数の気孔から湿気を吸い取って中にたくわえ、また部屋が乾燥してくると、スポンジのような内部にたくわえた水分を放出し、空気の湿度を調節します。
例えば6畳の部屋に「い草」を敷き詰めた場合、約1.8リットルの水分を蓄えることができます。
汗ばむ季節にもベトつかずサラッとしているのもこのため。
「い草」は呼吸器系にも優しい天然素材なのです。高温多湿の日本で「い草」が重宝されてきたのにはそんな理由もあるのです。
空気清浄機能
私たちの身の回りには車の排気ガス、工場からの排煙、タバコの煙、暖房機器やガスコンロなどから発生する有機化合物など、有害な二酸化窒素(NO2)がいっぱいです。
ところが東京大学工学部西村研究室の研究によると、畳や「い草」カーペットを敷いた部屋は環境基準(0.04~0.06ppm 1日平均)の2倍の二酸化窒素を2~3時間で「い草」が自然浄化し、空気がきれいになるという結果が出ています。
また、VOCの代表的な化合物で知られ、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒトを「い草」が吸着するとの結果も出ています。
また、吸着されたホルムアルデヒドは50℃に再加熱してもほとんど再放出されず、室内の空気の清浄に大きく貢献します。
この優れた能力は他の植物にはない「い草」だけの特性であり、新しくても古くてもその威力にほとんど変化はありません。
リラクゼーション機能
い草のなんともいえない爽やかな香りは「フィトンチッド」という成分によるもので、精神沈静作用があり、森の木々が発散している成分と同じもの。
つまり、お部屋の中で自然と森林浴をしていることになります。また空気も浄化するので、あなたやあなたの家族の健康を守ります。
い草の持つこのような優秀な機能が何百年も畳材料として使われてきた理由だと思われます。
天然い草畳は素晴らしい床材です。
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