畳な生活日記-神戸・阪神間の畳店店長の日記

神戸で畳店を営む、35歳3代目が日々の畳生活を振り返ったりします・・・

2008-03-25

畳を作る技術とは?

畳を作る

のは職人仕事です。

畳を作る」と、怒る畳店さんもいるかも知れません。

「畳を作る」じゃなくて「畳を縫う」だろって言う畳屋さんは多いはずです。


私は畳作りの技術

に関して疑問に感じる事が多々あります。

「畳を縫う」事に畳作りを限定するとお客様の住環境に合った畳を提供出来ないからです。

畳職人がお客様に提供する「畳を作るサービス」はオーダーメイドであるはずです。

お客様のライフスタイルや住環境に合った畳をご提供するためには「畳を縫う」と言う限定された考えでは対応しきれないのが現代です。


私も厚生労働大臣認定の

畳製作一級技能士

の国家資格を持っています。

この資格を取るためには、畳の手縫い作業の実技試験に合格しなければなりません。

今では、ほぼ使わない畳の手縫い技術の実技試験です。

こういう「畳を手で縫う技術」と言うのは必須ではあります。

なぜなら、畳を作る上で「糸で縫って仕上げる」事が分かると「どうやれば畳が良い状態に仕上がって、良い状態でお客様宅に納まるか?」が分かるからです。

要は様々な畳材料がある現代でも、畳を手で縫って仕上げる「畳の理想形」を知る事で自分がどうやれば理想に近い畳が出来るかが分かると言う事です。



でも、「畳を縫う」事にこだわると現代的な畳材料で良い畳を作る事が難しくなります。

例えば、畳床の厚みが10ミリしか無いのに、畳を縫うのはどうなんでしょうか?

10ミリしか厚みがないと手縫いは無理ですし、畳縫着機の太さが5ミリ以上ある針で縫うことが果たして畳にとって良いことなんでしょうか?

私は違うと思います。

畳床の厚みが10ミリ(仕上がり15ミリ)しかないなら、平刺し以外はタッカーで作るべきだと思います。

その方が、畳床も傷めないですし、後々畳張替が出来る可能性も高くなると思うんです。


昔ながらの技術に囚われて、「畳を縫う技術」をマニュアル化してしまうと最終的には「自分のこだわりの技術で良い具合に仕上がらない畳材料は駄目だ」と言う事になる気がします。

そういう技術って、一体誰のための技術なんでしょうか?

畳製作技術

を軽視するつもりは全くありません、それどころか重要視しています。

私が重要視する「畳を作る技術」とは、お客様のライフスタイルや住環境を考えた上で最良の畳材料を使った上で、一番良い形で畳を納められる技術です。

なぜなら、我々がお客様にお届けする畳は「お客様の畳」だからです。



こういう考えを持って「畳を作る技術」を高める努力をしていても、内閣総理大臣賞とか県知事賞とかはもらえないんですが、お客様に良い畳を届ける事の方が重要ですし。

畳業界も「畳の伝統技法」と「畳を作る技術」を分けて考える時期に来ているんじゃないかな。

明日は30ミリ仕上げ(普通は55ミリ仕上げ)の縁無し畳・琉球畳の製作です。

これも手縫いでは出来ない作業です。

私は「畳の伝統技法」を勉強して、「畳を作る技術」に生かしていきたいと思います。





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